エコノミークラス症候群の予防
エコノミー症候群とは、、、
エコノミー症候群とは、別名ロングフライト症候群・エコノミークラス症候群とも呼ばれ、ふくらはぎの静脈が固まる病気を指します。血液のかたまりを「血栓」といい。この血栓が下腿にできることを、エコノミー症候群と言います。
一見、足だけの病気と思われますが、血の塊が飛ぶことによって、肺への影響も出現し、最悪の場合死に至るほど危険な病気へ変わることもあるため、しっかりと最後までお読みください。
エコノミー症候群の原因
エコノミー症候群の原因は、大きく2つあり、水分不足と運動不足です。
水分不足
血液を構成する物質に、水と電解質があります。水が少なくなればなるほど、血液が固まりやすい状況が起きるため、水分不足が多発すると、血液が固まり血栓ができやすくなります。
運動不足
血栓が、できやすい原因として、もう一つは運動不足なことです。これは、体の部位であれば、どこでも同じですが、血液は心臓で全身へ送られます。一方血液を戻すためには、心臓の力ではなく筋肉の力で押し戻します。筋肉の収縮により筋ポンプ作用という物が働き、筋肉の収縮と同時に血液を中枢(心臓の方)へ送る役目があります。
そのため、筋肉を使わない状態になる=運動不足の状態は、筋肉の収縮が起こらず、血液が滞る状態となり、エコノミー症候群が起きやすくなります。
なぜ、エコノミー症候群は足に起きるのか?
エコノミー症候群といえば、長時間の飛行機。特にエコノミークラスの人が急に立ち上がったりすると起こるとされています。しかし、飛行機だけでなく、バス移動であったり、ベッドでの寝たきりであったり、あまり動かない状態が続くと、このエコノミー症候群になりやすくなります。
その、大きな理由としては、重力が関係していきます。みなさんご存知の通り重力は地面に向かって働きます。つまり座った姿勢だと、血液が下(足元)に溜まってしまいます。
特に、エコノミーシートの場合、狭くて足の置き場がなかったり、同じ体勢で長時間我慢していないといけません。「この長時間同じ姿勢で動かない」というのがエコノミー症候群発症の大きな要素となります。
重力で、足先に溜まった血液はより固まりやすい状況となり、血栓ができやすい状況になります。また高温の状態であると、汗による発汗で熱と一緒に水分が体から抜け出てしまい、同時に水分不足となります。
こうなると、上記した水分不足と運動不足が重なり、エコノミー症候群が起きやすい状況になります。
エコノミー症候群の予防法
エコノミー症候群にならないためには、足を動かす。というのが早い方法です。しかしいきなり大きく動かすと、血栓がすでにできてしまった場合、逆に血栓が飛んで血液を流れて、肺の小さな血管へ行き詰まってしまう恐れがあるため、まずは小さな運動からして行きましょう。
具体的には、足の指をグーにしたりパーにしたり、足部を回したりする運動です。こまめに立ち上がったり、膝の場げ伸ばしをするのも良いですが、3時間以上、同じ姿勢から、動いていない場合は、急に動かす運動はやめて、ゆっくりな動作から心がけましょう。
寝てしまったら危険?
とは、言うものの長時間の飛行であったり、どうしても仮眠をとりたい場合は、知らない間に、動かない状態になってしまいます。さらに、水分を多くとってしまうとトイレに行きたくなり、仮眠もできない状態。そんな場合は、キツめのソックスを履きましょう。ただし、一般的なソックスではダメです。よく勘違いする人が多いですが、一般的なソックスは、靴下の上の部分がゴムとなっており、一部だけ締め付けるため、靴下跡がつきやすくなります、この状態は実は最悪で、靴下跡がつくと言うことは、足を締め付けているだけなため、キツければキツイほど圧迫が強く血液を送りにくい状態にしています、つまり、エコノミー症候群になりやすい状態となっています。
したがって、キツめのソックスといっても医療用のソックスが効果的です。言い換えると弾性ストッキングというものです。
一番、人気で医療機関にも活用されているのは、こちらの弾性ストッキングとなりますので、詳しく知りたい人は、チェックしてみてください。
寝ていても安心
弾性ストッキングを着用していると、寝ていても外から足全体に圧迫してくれるため、安心して睡眠をとることができます。しかし、シワをつけたり、部分的に圧が強くなる履き方をしてしまうと、逆効果となってしまうため、丁寧に履きましょう。
100%エコノミー症候群が起こらない。とは断定できませんが、弾性ストッキング着用ありと、無しでは起こる確率が大きく変わります。また弾性ストッキングは含み予防のアイテムにもなりますので、1着あると便利です。膝下の血管が細くて血栓ができやすいため、膝下までのソックスタイプの弾性ストッキングあれば十分です。できれば指先まであるタイプがオススメですが、履きやすさを考えると、指先が出るタイプの方が履きやすいです。
年をとると危険度が、、、
最後に、年齢をとればとるほど、エコノミー症候群の発症率は高まります。それは、活動量が減ることと、血流のスピードがゆっくりとなるためです。今までは大丈夫と思っていても、同じ状況であっても体は変化して行きます。去年まで大丈夫であっても今年、急に発症する場合もあります。
恐ろしいことに、体は知らず知らずのうちに衰えていることを覚えておいてください。年が増えるほど、普段の活動量が減ってしまい、運動量が減ってしまうと、より血栓ができやすい体に変化し、一回の筋肉の収縮で送られる血液量も少なくなっているのが、「人」というものです。
予防は、いつでもできますが、やる人はやりますが、やらない人はいつまでたってもやりません。
健康なうちから、予防をして行きましょう。運動がめんどくさい人は、まずは履くだけの予防。ながら予防から始めても良いと思います。